アルミの特性

優れた特性で普及したアルミ

鉄や銅といった金属と比べると、新しい金属といわれるアルミニウム。アルミニウムの製造が工業化されたのは、いまから100年ほど前のこと。

しかし現代においてアルミは、身近な暮らしの中でも、大規模な産業の中でも欠かすことができない素材として使われるようになっています。

このようにアルミが普及していったのには、アルミならではの優れた特性があるからと言っても過言ではありません。

では、アルミならではの優れた特性とはどのようなものなのでしょうか。

軽くて丈夫、錆に強い

アルミの特性としてまず真っ先にあげられるのは「軽い」という点です。

日中で比べてみると、アルミの比重は2.71なのに対し、鉄は7.87、銅は8.93と、アルミが圧倒的に軽いことがわかります。

金属を使用する大型の製品を制作する場合、アルミで作ることによって軽量化をすることができます。

乗り物や建材など重量が性能に影響を及ぼすような製品は特にアルミで作ることで高性能に仕上げることができます。また、アルミは強度の面でも優れているという点があげられます。

「比強度」という単位重量あたりの強度を調べてみると、アルミの比強度は鉄や銅よりも優れています。ただし、ほぼ100パーセントアルミだけで作られている「純アルミ」の場合はやや強度が劣ります。

アルミの強度を高めるためには、アルミにマグネシウムやマンガン、銅、ケイ素、亜鉛といった成分を加えて「アルミ合金」と呼ばれるアルミにする必要があります。

添加する成分の種類やバランスによって強度が異なるので、用途によって使い分けられています。さらにアルミは耐食性にも優れるという点があります。

耐食性、すなわち「錆に強い」という特性です。鉄や銅は赤錆や緑青のような「錆」を発生させることがありますが、アルミはそのようなことがありません。これはアルミが空気中で安定した「酸化皮膜」を作ることができるためです。

全く錆を発生させない、というわけにはいきませんが、アルミは目に見えない酸化皮膜に覆われていることによって、耐食性をかなり高めているのです。