軽さについて

軽量アルミで性能アップ

アルミの優れた特性のひとつに「軽い」という点があります。

鉄や銅とアルミを同体積同士比べた比重は次のようになっています。アルミ2.7、鉄7.8、銅8.9。このことから、アルミは軽い金属であると言われているのです。

そのため、軽量であることが性能に重要な影響を及ぼす車や鉄道、船など乗り物にアルミは多く使われているのです。機械装置の高速回転部品や摺動部品といった部品などにも使われます。

こちらも、アルミが軽いことで装置の作動効率がアップするためです。あまり目立つものではありませんが、鉄塔から鉄塔の間に渡っている高圧電線などにもアルミが使われていることが多いです。

通電性という点ではアルミ以外の金属を電線として使用することもできますが、軽いアルミの電線を使うことによって鉄塔と鉄塔の間隔を広く、また電線をたわませることなく配置することができるというわけです。

必ずしもアルミが軽いとは限らない

とはいえ、アルミだったら必ずしも他の金属よりも軽いわけではありません。たとえば、自動車のホイール。

スタイリッシュなアルミホイールはデザイン性にも優れていてとても人気があります。

アルミホイールを利用する理由としては、カッコいいことはもちろんですが、やはり軽くて性能が良いから、と考えている人がほとんどだと思います。

確かに同じデザインやサイズで鉄とアルミのホイールがあったら、「軽さ」の面では確実にアルミのほうが軽くなります。ただし「強度」を見てみると、残念ながらスチールのほうが強いことが多いのです。

たいていのアルミホイールは強度を高めるためにいろいろな成分を添加した「アルミ合金」となっていますが、それでも強度の面ではスチールにはかなわない場合がほとんどです。

もしスチールホイール と同等の強度をアルミホイールに求めるのなら、分厚いアルミを使ってホイールにしたり、熱した金属を叩いて伸ばす「鍛造」と呼ばれる方法で強度を高めるように作られたホイールを選ぶ必要があります。鍛造アルミホイールは大量生産が難しく、価格が割高になります。